よるのこども
夜の帳が静かに下りて
鳥も翼を休める頃
よるのこどもはふたりの空を
ただまっすぐに飛んでゆく
ふたりは自分で鳥篭を開けて
その空へと飛び出して
闇夜に沈む哀れな男も
暗く燃える炎の島も
もうふたりの目には入らない
ふたりの前にある空は
はじめての夜 はじめての夢
はじめての この手に掴んだものの熱さ
その全てを包み込む
ただ ふたりのためだけの空
月も 星も
雲も 風も
ふたりの目には入らない
行く手を阻むものはなく
背中を追うものもない
よるのこどものゆく空は
ただ ふたりのためだけの空
(0308.16)
|
|