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《RELAX》第6回公演 フレームアップ・クライスト
《RELAX》/9906.3-6/TACCS1179@上落合/作・演出:EMI

■キャスト
 ジム・クリストファー(強盗殺人の容疑者):鳥海勝美
 マリア・ブルーム(ジムの恋人):芳野美樹
 ユージン・ジョーンズ(ジムの友人・弁護士):伊藤栄次
 ボブ・サルト(新人刑事):たかはしけいじ
 アリス・ヒーリー(ボブの先輩刑事):清水スミカ
 ドーン・ベリー(ベテラン警部):佐藤丈太
 キャリー・ルース(犯罪心理学者):世理
 ビル・ブルーム(マリアの父親):中田篤
 ジェーン・クリストファー(ジムの母親):岡本嘉子
 ヘレン・バーキン(検事補):牧薫子
 ガブリエル(?):飛田展男
 ミカエル(?):戸部公爾

■おはなし
 強盗殺人事件の容疑者ジムとマリアは黙秘を続けているため、警察は供述がとれないでいた。ジムは生まれながらに支配者の素養を持つ者――「5%の人間」だった。彼らを「落とす」ために呼ばれたのは2人の天使。2人はジム達を落とせるのか?10年前の事件と今回の事件に何のつながりがあるのか?全てが終わったときに何が起こるのか?そして最後に騙されるのは誰なのか?

■感想
 と書いてしまうとちょっと違うかなぁ(^^? まぁ《RELAX》らしい芝居といえばそうなんですが、キャスティングの妙に演技の確かさで安心して見られますし、思わず「あぁ面白かった〜」と感じ入ってしまえる説得力はほんと素晴らしいです。前回の「ペナルティー・マリア」が、芝居の面白さはあるのだけれどどうも後味の悪さが残ってしまう内容だっただけに、今回は気持ち良く騙されましたーっ!という感じ、でしょうか。

 難があるとすると、冒頭で伏線を一杯張ってあるのに、それに気付かないまま終わってしまうものもあること。今回脚本が売られていたので、買っておいて1回目を見た後で読んでから臨んだ2回目(千秋楽)は、伏線が全部分かっていてとても良かったかなぁと。脚本を見なくても後で分かるものもなくはないんですけど、芝居としての情報量が物凄く多いんですね。伏線とはちょっと違うんですけど、最後にヘレンの言う「おとりだと気付かなかった」云々ってあたりはちぃと難しかったです。

 あと、D・N・Pの時もあったんですが、舞台の前の方の低い位置での芝居があること。人が倒れるだけなんですが、後ろからでは見辛かったのではないかしらと。最前列とかだと、倒れたのが中田さんでやってくるのが佐藤さん、あと絡まれた酔っ払いがたかはしさんだと分かったんですけどね。

 過去に、空想遊戯の「異境線Δデルタ」を1日に2回見たことはあっても、2日で2回同じ芝居を見たのは今回が初めてでした。見方を変えられてなかなか良かったと思います。「千秋楽は投げキスが1回多かったですよね」とミカエル役の戸部さんにおききしたら、そのとおりとのこと。「稽古の時にやっていたのを千秋楽ということでやってみた」というようなことをおっしゃってました。その投げキスは、アリスにしっかり捨てられてたんですが、これがまたおかし。清水スミカさんてばいつも格好良いなぁ。

 色々と感想をお聞きしたりBBS等を見て回ったりすると、「ガブリエルにはうっとり、ミカエルには騙されたい!」というのが大方の見解のようです(^^) いやほんと、飛田さんを目当てに見に行って戸部さんにはまるひとは多いのですがライバル多し!(笑)でもあんな伊達男な結婚詐欺師が居たら一度は騙されてみたいかも。でも実家が金持ちじゃないと駄目なんですってーっ(>_<) 戸部さんのお芝居もいくつも見てますが、今までで一番良かったかなぁ。魅力バクハツでした。でも御本人は恥ずかしかったのだそうで。

 一方のガブリエルさんはというと、あんな1Pにも及ぶ台詞をよどみなくすらすらと言ってのけるのにびっくり。「とちってなかったですよね」とおききしたら、「結構間違えているんですよ」とのこと。ちーともそうは聞こえませんでしたけど。いや騙されました。わたしは個人的に飛田さんの「抑揚のない高い目の声」というのが好きなので、もうただひたすら聞き惚れてうっとり。ガブリエルは感情を殆ど出さずに一本調子かと思ったら、最後の「わたしは人殺しの味方はしない!」でいきなり迫力のある怒声。2回目を見ていたら、中盤でも抑揚の出ているところはあったのですが、やはり冷めた見方をしている感じ。なのに、サルト警部殺人事件の謎を解くあたりから、その冷ややかな表情の下の顔が見え出してくるのです。動きとしての演技は抑え目だったのですが、目線とか指先とかがちゃんと芝居しているとこがやはり見てて凄い!という飛田さんでした。ちゃらちゃらしていたミカエルも結構正義漢なところがあるし、やはりこの二人は天使なんですね。

■うらばなし
 芝居に関係のない飛田さん情報ということで、「ミクロマン」と「ビーストウォーズメタルス」劇場版のことをお聞きしました。TVのこととして御自分から「『アーク・ザ・ラッド』のクライブは実は一番わるいひとらしい」とお話してくださったあたりで「キャスティングする方も分かってるんですね」とよく考えたらえらく失礼なことを口走っていたバカなわたし(T_T)

 失礼ついでにもう1件。「ミクロマン」の人生ゲームの回(#18「美しきガラスの戦士ファイバーン」)のラストの台詞が聞き取れなかったとお聞きしたら、「銀行でもいい〜」だったとのこと。台詞が聞き取れないなどと役者さんに対して何て失礼なことをお聞きしてしまったのか……(T_T) でもサブタイトルを出さずに「人生ゲームの回」で通じて、しかも覚えている飛田さんはやっぱり凄い(^_^)


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