Camille Laboratory Top機動新世紀ガンダムX>創作小説

南の島の休日



Holiday in Sains-Islands
第二十話「…また逢えたわね」より




 セインズアイランドへ進路をとったフリーデンでは、久し振りの上陸に心躍らせるクルーが多かった。ずっと海の上で過ごしてきただけでなく、その島が戦前から有名なリゾート地であることも、プラスに働いていた。クルーは、伝聞に噂話まで交えながら、その休暇を心待ちにしていた。

「なぁロアビィ。話があるんだけど」
 そう声を掛けたガロードの顔を覗き込んで、ロアビィは隣の席を勧めた。自分から話し掛けておきながら、どこかもじもじとしているガロードを見て取って、ロアビィが静かに口を開く。
「ティファのことだろ?」
「まだ、何も言ってないんだけど」
「お前の相談事って言えば、それしかないじゃない」
 分かった口を利くロアビィに、ガロードはぽりぽりと頭をかいた。
「じゃあ話は早いよな。その……」
「何だよ」
「あのさ、ほら、女の子と一緒に出掛けるのって……」
 いつもの元気の良さはどこへやら、ガロードは顔を真っ赤にして必死に言葉を紡いでいた。
「デートか?」
「そうそう、それそれ。そのデートって、どうすればいいの?」
「はぁ。」
 随分と単刀直入な質問である。
「ロアビィならさ、ほら、百戦錬磨ーって感じじゃん。教えてよ」
 ロアビィはそれを聞いて、大きく息をついた。
「教えてったってお前、それを俺に聞いてどうする気なんだ?」
「え?」
 ロアビィに逆に問い返されて、ガロードはうろたえた。こんな展開になるとは、思いもよらなかったのだ。


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