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ガンダムXと打ち切りと

 DVD発売決定でガンダムXが話題になるのは嬉しいんですが、どうしてもぶり返されるのが、この「打ち切り」というお話で(i_i)

 どういう訳か、GXは「ガンダム史上初の打ち切り作品」と言われたりもするんですが、これって、「ガンダムシリーズとは『機動戦士Ζガンダム』以降の作品群を指すものであり、原典である『機動戦士ガンダム』は含まれない」という認識をされているということなのでしょうか。もしそうなら個人的には嬉しいのですが。いえΖ以降はファーストとは別物だと思ってますんで。

 何せGXを打ち切りだというのであれば、ファーストも打ち切りですからね。「ガンダムシリーズ史上初の打ち切り」がGXなら、ファーストはシリーズ外ということになりますから。

 自分の感覚では、「打ち切り」=「放映が予定を待たずに終了することにより、本来描かれるべき物語が描かれないまま終わってしまうこと」です。この定義での「打ち切り」といえば、イデオンとかレイズナーとかダンクーガとかバルディオスとかですよね。でもこれらの劇場版やOVAでフォローされた作品はまだ良い方で、ガルビオンなんて問答無用に切られちゃってましたよねぇ(^^;

 それらに比べると、ファーストやGXはとりあえず物語の完結はなされているから、放映期間短縮ではあっても打ち切りという印象はないんです。

 では何故、ファーストはさておいてGXばかりが「打ち切り」だと言われてはばからないのか。それは、「機動戦士ガンダム」が「打ち切り」という事実を再放送と劇場版公開による大ヒットで乗り越えて「ガンダムシリーズ」を生み出す原点となった名作であるのに対し、GXはその「ガンダム」の名を受け継ぐTVシリーズ中、唯一3クールで終了した落第生だという評価がされているからなのでしょう。

 ま、そりゃ事実なんですが。
 「ガンダム」ならヒットして当然という認識の中では辛い事実なんですが。

 でもあの時は複雑な事情があったんですよ。
 当時のテレビ朝日の体制に色々あったんですよ(;_;)
 という背後の事情に関しては情報が入り乱れているのでこれ以上は触れませんが、当時の流れを振り返るとこうだったんじゃないかなという推論(下記強調部分)は出来ます。あくまでも推論なのでその点よしなに。

 4月 放映開始
 6/20 マードック氏とソフトバンク社がテレビ朝日株取得
 7月 1クール終了時点で3クールでの年内終了決定
    テレ朝では10月改編期に土曜早朝へ移動決定

 8月 年内終了の噂が流れ始める
    8/25発売のB-CLUB VOL.130裏表紙のバンダイ広告にて時間変更告知
 9月 9/25発売のB-CLUB VOL.131での川崎ヒロユキ氏のコラムで放映短縮が匂わされる(下記引用)

現在の忙しさは本来の予定ならば今年の年末にくるべきはずの忙しさなのだが、なぜかそれが9月になってしまった。
 これは、「本来の予定なら2〜3月に放映のGX終盤の脚本を12月に書くはずだったのが、39話となったために、12月放映の脚本を9月に書くことになった」と読める文章。
 本来は「川崎ヒロユキのサンデーモデリング」のタイトル通りプラモを作る連載だが、この月ばかりは 「オレ壊れてる?」 と書かれているような壊れっぷりで、キット紹介はない。

 また、7/25発売のB-CLUB VOL.129での同コラムでは、

これから脚本を書く話数(第二十四話)以降になると、現在放映している内容と比べたらほとんど別作品。
 と書かれていて、ここまでは短縮決定前の話であると推定できる。因みにVOL.130はごく普通に戦車の話で、第二十五話以降のエスタルド編の執筆中だったのだろう。

 10月 テレ朝のみ土曜早朝へ移動(他は移動なし)
 11月 年内終了公式告知
 12月 放映終了

 8月の動きから、7月に色々決まったのだろうことは推論できます。この年の夏コミは8月上旬にあったのですが、その頃にはもう噂は流れていましたし。3クール終了と10月からの時間変更は同時に決まったと考えないとこのスケジュールは組めないと思われるので、最近時々目にする「視聴率が悪かったので早朝へ移動したら更に悪くなって打ち切りが決まった」という話の後半部分は誤解ではないかと思います(視聴率が悪かったからこその早朝移動、という部分はその通りなのですが)。なら何で時間変更時に年内終了を合わせて告知しなかったのか、と言われると、それは大人の事情というものでしょう。

 って、何を書いてもGXが39話で終わった事実は変わらないんですが。
 それでも、短縮による時間的制約や心理的圧迫の中で、周到にシナリオを練って、スケジュールを工面して、あれだけ見事に終わらせたのですから、GXスタッフの仕事には改めて拍手を贈りたいのですよ(^^)


余談

 GXと同じ96年放映のシャンゼリオンは、2クールで開始、4クール延長が一旦決まるも結局3クール打ち切りという経緯。#31「羊とパイと現金と」(10/30放映)撮影中に3クール終了を知った萩野崇が、その感情をこの回の演技にぶつけている。残り10話になってしまったからにはと、スタッフもキャストもやりたい放題で走り抜いた結果、あのテンションのまま最終話へなだれ込むことに。

 この年は「B'T X」も打ち切りだったんだよなぁ。余程前年度のエヴァとGWの余波が大きかったんでしょうか。


(0409.01)




 元は寝言に書いた文面なんですが、一部修正して再掲載。ちょっとシリーズ化して話が続きます。


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