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5分くらいで分かるかも知れないアルジェントソーマ

 とりあえずTV放映分のざっとしたあらすじ。例によって勢いで書いてます。 


 2054年、地球に謎のエイリアンが飛来した。20mの身長で街を踏み荒らしていく彼らの目的は「巡礼ポイント」を目指す以外一切不明、でも地球はそのためにかつてない危機に陥っていた。2058年に対エイリアン部隊・フューネラルが設立され、女性司令官コマンダー・イネスと歴戦の勇士キャプテン・ハートランドの指揮のもと、第二次遭遇戦と呼ばれる戦いの日々が続いていた。

 2059年4月9日。今日はユニバーサル大学の学生タクトの恋人マキの誕生日だ。1週間も会えずにいるマキから、本文が空のメールが届く。タクトはマキへのプレゼントの指輪を手に、マキの師であるノグチ博士の研究室に辿り付く。しかしそこに現れた軍人は、モルグという名の怪しげな施設へタクトを連れて行く。そこでマキはノグチ博士の助手として、フランクと呼ばれるエイリアンのつぎはぎを再生する準備をしていたのだ。妙なことに巻き込まれ、マキはいつものように黙って肝心なことを言わない。タクトはマキに一方的に言葉を投げつけたまま――その事故は起こった。生き物のように暴れ回るケーブル、予備電源の赤い光の中、覚醒するフランク。瓦礫が崩れ、フランクの覚醒を喜ぶノグチ博士を下敷きにする。そしてマキの居たブースが落下していくのに、フランクが手を伸ばす。「やめろぉぉっ!」そのタクトの声は届かない。フランクは何処かへと消え、ノグチ博士を看取ったタクトはマキを探して廃墟を彷徨う。薬指に指輪をはめた左手だけが、無言のままタクトを待っていた。(#01)

 フランクはロッキー山脈の湖で、無垢な少女ハティと出会う。何故か心を通わせあう銀色の巨人と少女は、フューネラルに収容される。そしてフューネラルに今一人、謎の新入りがやってくる。傷痕を残す左側の顔が右側とはまるで別人で、見るからに危なげでアンバランスな彼の名はリウ・ソーマ。実はリウは、マキを殺された復讐のために悪魔に魂を売ったタクトだったのだ。フューネラルのジェイルに収容されたEX-1――フランクを見据えるリウの瞳は、憎悪に蒼く燃えていた。(#02−04)

 フューネラルの最新鋭兵器・ザルク。エイリアンモーターを使ったこの機動兵器は、エイリアンとの戦いのために、人型への変形が可能という画期的なものだった。金髪碧眼でお坊ちゃんだけど負けず嫌いのダン、射撃が得意なお姉様のギネビア、操縦の天才だが軽い姉ちゃんのスーがザルクのパイロット。リウは今は亡きザルク2のパイロットの欠員補充ということで配属され、謎の男Mr.Xとの契約のためにフューネラルの機密情報を流す。最終兵器として実戦投入されるEX-1ことフランクをあわよくば葬り去ろうとあの手この手を尽くすリウだが、どこかマキを思わせるハティのことを思うと引き金が引けない。復讐に生きるリウは他人とも距離を置いていたはずなのに、他の隊員達とも、そしてフランクとさえも、共に戦う仲間としての関係を築いていってしまう。(#04−10)

 それに気付かされて激昂したリウは策を弄してフランクを殺そうとするが、果たせないばかりかMr.Xに制裁を受ける。復讐を封じられれば自分は何のために生きているのか。その絶望の中、フューネラル本部を直撃する身長220mの巨大エイリアン。お前を死なせて俺も死ぬ。そう思ったリウだが、フランクは死なない。ヤケも手伝いザルク4機でフランクを助けてエイリアンを撃破。しかし深手を負ったフランクは、意識が回復しないでいた。(#11−14)

 フランクを目覚めさせるべく、運んだ先はモルグだった。謎の黒いザルクの襲撃、そしてまた仕組まれた事故。フランクは再覚醒し、繰り返されるあの光景。しかしフランクの手はハティを救い出した。フランクは、まさかあの時も……その思いを振り払うリウ。救われた少女が居れば、救われない親友が居る。そして、ザルクの恐るべき秘密が明らかになる。死を受け入れようとするギネビアを、知っている人間が目の前で死ぬのはもう嫌だと、救おうとするリウ。しかし彼のザルク5も撃墜され、ギネビアを救ったのはフランクだった。フランクは再覚醒後言葉を話すようになり、ハティは楽しげにフランクに話し掛ける。そんなハティにマキを重ねてしまうリウは、フランクへの憎しみを新たにする。(#15−19)

 ザルクが使えないフューネラルの最後の戦力はフランク。用済みとなったフューネラルに代わり、軍の特殊部隊の主力として姿を見せたのはあの黒いザルク・トートだった。それを見てMr.Xの思惑を量り、踊らされていたと思うリウの中で何かが切れる。エイリアンは超高速でフランクと共に巡礼ポイントへ到達する。世界が終わる前にお前の笑顔が見たい。その強迫観念に取りつかれたリウは、「俺はリウ・ソーマじゃない!」と言い捨てると、ハティを連れ巡礼ポイントへ向かう。しかしそこで世界は終わった訳ではなかった。そしてフランクが自らの過去を話し始める。(#20)

 2044年に飛び立った宇宙船オデッセウス号。その伝説の宇宙飛行士ユーリが、妻のクローカに会うために、刻んだ心の数だけのエイリアンとして帰ってきていたというのだ。そしてオデッセウス号遭難の原因となった無理な航路変更を命じたのがMr.Xことロレンスだった。Mr.Xはクローカの死を告げ、巡礼の地の空に慟哭の声が響く。(#21)

 過去を取り戻したが故に、その心を閉ざしてしまったフランクを連れ本部に戻ると、特殊部隊のキルゴアがフューネラルを手中に収めてしまった。イネスは拘束され、マイケル・ハートランド以下の隊員達がミステルで護送される中、マイケルは事件の真相を推論する。リウは自らの過去を告白し、復讐の相手すら失った自分を見失う。そこへ「元のお前に戻るがいい」とあの男の声が響く。Mr.Xはマイケル達を解放し、自らもまた贖罪の旅に出る。全高8000kmのエイリアンが近づき、かつてロレンスとユーリが守ろうとしたユリシーズ号が、その迎撃のために打ち出されようとしている。止められるのは彼しか居ない。ミステルはフューネラルに奇襲を掛け、リウとハティはジェイルへ向かう。しかしフランクは心を閉ざしたままだ。そんなフランクにぶつけられるリウの激情。ハティがリウに返した言葉に、リウは改めて真実を見る。「同じだったんだな……だから俺はお前を憎み、そして愛した」再び彼らを包む赤い光の中、「ごめんな」とハティを抱くリウ。そしてフランクは覚醒し、ノグチ博士とマキが最後に残した言葉をリウに伝える。全ての分身を一つに集め、フランクは飛翔していった。そして、彼もまた何処かへと去っていく。(#22-24)

 それから6年後、彼と彼に会うために旅立つハティ。イネスは上院議員としてオデッセウス号事件を追い、マイケルは6光年先に出現した謎の星雲の調査に向かうユリシーズ号の船長としてハティを迎える。ダンとスーはフューネラルのキャプテンとコマンダーとして彼らを見送り、その腕の中では今は亡き同僚の名を貰った娘ギネビアが無邪気に空を見上げている。そしてもう一人の彼は、モルグの事件を告発したために政治犯として収監されていたが、事実上の政変の中で恩赦となり、時の止まった部屋へ戻る。自分はどうしたらよいのか。そこへ聞こえたのはノグチ博士の言葉だった。しかしマキの声は聞こえない。ふと立ち上げたPCに届いていた、6年前のマキからのメール。「2059.4.9 PM10:29 Sorry & Thank you.」その言葉をやっと受け取れて、彼はようやく「さよなら」と呟き、かつて親友が駆った機体で宇宙へと上がる。出迎えたハティの前で、彼――リウが微笑む。ブリッジのリウの足元に跳ねる青林檎。それはかつて、オデッセウス号で発つユーリにロレンスが贈ったものと同じだ。ハティの見つめる先で、リウがユリシーズ号を発進させる。彼とともに、彼に会うための旅が始まる。(#25/終)




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