Camille Laboratory Top機動戦士Ζガンダム>創作小説>空の日

「私はしなくてはならないことをしただけですよ。あの子の芽を大事にしてやってください。……なんて、私に言えることではないかも知れませんが」
「あの子の芽?」
「少尉の方から今回の話があったんじゃないですか。カミーユには素質がありますよ。パイロットには分かるんです」
「パイロットね……あの子には技術者になって貰うつもりなのだがな?」
 ヒカルはその言葉には肩をすくめて答えず、空を仰いだ。
「良い天気ですね。空が光っている……」
 つられて仰いだ空は、確かに、何処までも澄んでいた。
「素質、か…」
 そんな大人達の思惑など知らずに、カミーユは父親の姿を見つけて駆け寄って来た。
「父さん今日はありがとう! ね、また連れてきてよ」
「よかったな。ヒカルおじちゃんにはお礼を言ったか?」
「お兄ちゃんだよ。お礼は言ったから、ね?」
「ん。またな」
 幼い身体が草むらを駆けてゆく。その背中を追うように風がまた吹き抜けていった。
 UC0075……宇宙の片隅が穏やかさを失いつつあることを、その笑顔は知らない。


(9312.28)



あとがき

 「9月20日」が空の日、なんだそうです。グライダーには、実際に自分の大学の航空部の体験入部で乗せて貰ってきました。とても入部できるものじゃなかったんですが、入部必須ではないと聞いてこの機会は逃せないぞと。その後香港へ行ったときに乗ったきり飛行機には御無沙汰です。東京から金沢へ出張するのにも鉄路を使ったという(^^;

 Ζ#47「宇宙の渦」で出てくる子供の頃のカミーユってほんと素直そうな可愛い顔してるんですよね(つかあの可愛さは犯罪)。何だかんだと子供の頃の話って書いてるんですが、イメージとしてはあの一枚の記念写真へ行き着く……はずです。

 ……っかし、日付が古。いやこれから先もっと古いの出てきますけど〜あまり手は入れてないつもりなんですが。そのあたり、若さゆえの何とやらということで大目にみてやってくださいませ。


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