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機動戦士Ζガンダム
>創作小説
ゆらゆらとした波間
そこから過去へと戻れない
何か大切なことを忘れていない?
そんなことすらもうわからない
記憶の闇は夜に似て
目を閉じた闇に遊べば
夢の向こうから来る波を見る
夜と夢のはざまで
波に向かって手を伸ばせば
すり抜けてゆくものは声?
すり抜けてゆくものは光?
波がふと 途絶えたときに
感じたもの それは何?
それが寂しさであると
ようやく気付くことは出来て
そっと夢に手を伸ばす
夜と
夢のはざまで
Between the night and the dream
このところどうも同じ夢ばかり見る。
そう思いながらかぶりを振って、フォウは身を起こした。また、白い日常が始まるのだ。
窓の外は今日も雪、白く冷たい花片が視界を覆ってゆくのが見て取れる。ここはいつもそうだ。赤道に程近いため、宇宙移民が始まった当初からシャトルの発射基地に利用されてきたキリマンジャロ山。今は地球連邦軍の実権を掌握したティターンズの基地になっているここに、彼女が異動してきたのは三ヶ月ほど前のことだった。
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