Camille Laboratory : DT Eightron TopDTエイトロン>研究文献

DTエイトロンってそもそもなに?

 一言で言えば、「すごくわかりやすい世紀末SF」なんだと思います。無機質な管理都市<データニア>の少年シュウが、そのただ繰り返されるだけの日常から脱出し、自分の目的である<憧れの海>を目指して、理想郷と呼ばれる<アモーロート>を目指す少年達と一緒に旅をする、という物語。SF的なガジェットとしてはそれなりにとんがってるようにも思うのですが(SFプロパーな人にはぬるいのかもなーとも思いますが(^^;)、エイトロンの物語はどこか懐かしい感じのする骨太のジュブナイルを思わせて、この完成度はさすがサンライズ! というものでした(^_^) シュウを主人公として描ききったスタッフに拍手。

 何せ舞台は世紀末そのもの、週末じゃなかった終末に向かって確実に崩壊してゆく世界で、生きるとはどういうことなのか? が問われてゆきます。色々な人との出会いは、そんな世界にも希望はあるのだと思わせて、それでも一方では残酷に切り捨てられてゆくものも見せられてしまいます。それらの物語が収斂する最終話の展開は、やはり、というか賛否両論になってしまった感があるようなものでした。わたしはあの最終話はとても好きで、「あぁっこれがSFなのよ〜」とか思ってしまったものでした。これもひとつの予定調和の形なのかなぁと。あなたはどう感じられるのでしょうか?

 フジテレビ公式サイトが生き残ってますので、まずはこちらをご覧になると、世界観や用語集など参考になると思います。見なくてもお話は充分分かりやすいと思いますけれど(^^)
 あとフジテレビのページでDTエイトロンムービーシアターが残ってました。一部画像は賞味期限切れですが、アミノテツロー監督・西澤晋氏・筱雅律氏・岩田幹宏プロデューサーのインタビューがあります。


【例によってツボりすと】

■戦闘メカ ザブングル (1982 サンライズ)
 ドーム都市とか、ドームから出ると生きていけない人たちとか、乾いた大地でたくましく生きてる人たちとか。富野作品といえばイデオンとも比較されたりしますが。

テレヴィジョン・シティ (1992 長野まゆみ/河出書房新社)
 管理都市の少年達の脱出行、主人公が憧れる海、そして会えない<母>。あと不味いものを平気な顔で食べる主人公(DTエイトロン#01のシュウはデータミールが不味いと言ってますが、それ以降の印象が)とか。このあたりのモチーフの使い方が似通うかなとも思うのですが、こちらはこちらでとても面白いSFなので、これまたお勧めです。

アルジェントソーマ (2000 サンライズ)
 どちらも地味でマイナーだけどSFさ加減では光ってるサンライズ作品ってことで。構造変換ネタとか、歌と記憶だとか。そして忘れちゃいけない、「保志声の主人公を翻弄する怪しいおっさん」がやっぱりイイ(^Q^) あと例によってこちらも音楽と美術がまた素晴らしい。

ゼーガペイン (2006 サンライズ)
 人間をデータ化して退避だとか、リセットだとか、仮想空間とデータ人格の表現、そしてやはり海と水。目下放送中なので、どうしてもエイトロンを思い出してしまいます。データから生体を復元できるガルズオルムはDT持ってんだろーとか(^^; ←混ぜるな危険




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