二 少女の夢
アルタネイティヴ社のラボから奇跡の生還を果たしたティファは、ドクター・テクスの診察によると、ラボでの処置のおかげで生命の危険は去ったということだった。ガロードとも二言三言、言葉を交わしていたのだが、どうもお互い照れている様子だし、相当疲れている様子ではあったのでテクスは二人を休ませることにした。就寝前のティファの部屋を訪れたジャミルに、ティファは一つ質問をした。
『あぁ、それは夢だよ。』
ジャミルはそう応えると、『良い夢をな、ティファ』と付け加えて部屋を辞した。ティファにとって眠りとは意識の闇に包まれた空白に過ぎなかった。なのにガロードに出会ったあの日、月の巨人がティファの夜に訪れた。それは『夢』だというのである。あの夢のおかげでティファはガロードに会えたのだと思っている。月の巨人の夢の続きは見られるのだろうか?そこに自分とガロードの未来があるように思いながら、ティファは瞼を閉じた。
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