Camille Laboratory : ZEGAPAIN Topゼーガペイン>創作小説>on the reset

■on the reset : シズノ編

 来期は舞浜南高校には在籍しない。
 その意思をシマにだけ告げて、シズノは一人舞浜に降りた。
 もうすぐこの街はリセットされる。何もかもが白紙にされて5ヶ月前に戻るのだ。自分の存在しなかったはずの5ヶ月前に。いつの間にか馴染んだ、この舞浜南高校の制服を着るのも、今日が最後。

 だがシズノのデータは既に舞浜サーバーに組み込まれている。無理に組み込んだものを無理に外そうとしても、システムに与える負荷は大きくなる。リセットにあたっては初期設定のパラメータを必要最小限に調整するに留められた。舞浜には自由に降りられるが、舞浜南高校の生徒としては振舞わない。シズノはそう選択した。
 そもそもシズノがシステム環境を乱すリスクを負ってでも舞浜に降りたのは、全てパートナーであるキョウの再覚醒を促すためだった。それがシズノの選択だったからだ。だが再会した彼は以前の彼ではなかった。彼は再び目覚めたが、シズノと過ごした過去のことはまるで忘れていて、そしてリョーコを見つけた。それが彼の選択。

 自分の舞浜での役目はもう終わった。異邦人の自分が舞浜南高校に居る理由は何もない。そこにキョウが居たとしても、自分はもう、彼のそばには居られない。このリセットの後に彼が知る痛みを思えば、尚のこと。
 真夜中の公園のベンチで、シズノは膝の上の猫を抱いていた手に少し力を入れてしまったらしい。目を覚ました猫がぴくん、と耳を立ててじっと周囲の様子を伺うのは、この街の秘密に気付いたとでもいうのだろうか。
「さよなら」
 濡れたような瞳のシズノがそう呟くと、首をめぐらせた猫の丸い瞳が、シズノの顔を不思議そうに覗き込む。そして膝の上から飛び降りると、闇の中へと姿を消した。ほどなく、物音一つしない夜の街にその時が訪れて、シズノもまた光となって舞浜から消えた。


(0609.15)



あとがき

 舞浜サーバーのリセット前、生徒会室で何があったのかというお話です。クラス替えのルールだとか、例によって一切合財想像の産物ですのでその点よしなに。元々は、「何でリセット後にカミナギが1−Bになってるの?」という疑問に関する天野レンさんの素晴らしい回答に端を発しておりまして、レンさんのおかげで書けたようなものです。ほんとありがとうございましたー(^^) キョウちゃん本人が全然出てこなかったのが寂しかったんですが、鬼畜な司令とぽよーんな生徒会長が書けて良かったです。うん、司令は確かに鬼畜だけど愛があるよ。本物の鬼畜だったらカミナギは1−Dのままで、キョウちゃんは辛すぎる毎日を送るところだったですよ。ありがとう生徒会長。

 で、名簿から削除されたシズノ先輩はその後結局転校してくるのですが、この件に関しては天野レンさんが「生徒会室の攻防」を書いてくださいました(^^) ──まぁ生徒会長にしてみればこれも織り込み済みってことで、シズノの席は3−Cに用意してあったので、イズミも3−Cに異動ということに相成りました次第。

 おまけのシズノ編については、#24には驚かされましたよ! このくらいなら猫書いても大丈夫かなぁということで(^^;

 →リセット小ネタ集その1−1:キョウ編

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