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で、カリス編+帰郷編って。

 「GX劇場」第3部(+中休み)と感想日記でツッコミそびれたネタです。

■特別な力
 カリス「特別な力を持たないものが、僕に勝てるはずはないんです」→ガロード「特別な力なんてないし」→ジャミル「特別な力、か」 と、このジャミルの言葉がねぇ。かつて「特別な力」を持っていたが故の感慨。氷を渡るのに「特別な力は要らん」。確かにね。でも動体視力と反応の早さだけでビット撃墜しちゃうのは、かなり特別っぽく見えるんですが艦長ー。

■娯楽室(#10〜)
 サラ「女性の会費は無し」→悪徳医者「これで約束通り会費はチャラだな」→ロアビィ「15歳以下はタダかなぁ」という訳で、会費を徴収できそうなのは「15歳以上・男性・医者以外」ってことに? そっか、第十六話でジャミルが珍しく娯楽室に来てるんだけどそれっきりなのは、会費払う必要があるからなのか(多分違う)
 にしても、ここの改装作業をしてた大勢のクルーって普段何してるんだ? メカマンはこの時寒冷地仕様への改修作業中だろうに。って、フリーデンって乗員45人(という設定)でやってるにしては皆タフすぎ。
 因みに設備はバーカウンター、ソファ、ビリヤード台他。ロアビィの趣味のおかげか、照明が暗い目で落ち着いた雰囲気なので、アーガマの娯楽室(ここにもビリヤードはあったけどカウンターはさすがになくて自販機だったな)とは全然違って見えます。皆の憩いの場として、様々なドラマが生まれる舞台に。

■ノモア・ロング市長(#10〜14)
 っつぅのはいかにも偽名でないかい? ドーラッド博士。1000文字じゃ足りなくて感想日記には全然出番がないんですが、中田和宏さんのお声が好きなので結構台詞は聞き惚れていたりして(^^* 「ガンダムの息の根を止めてやる」と言うのに、「よっしゃ、やったれぃ!」とつい応援したくなるというか(^x^;

■OPカット変更(#12)
 GX-DVお披露目で、終盤の銀河へ飛翔するGXのカットがゲテモノガンダムとの対戦に差し替え。絵も綺麗ですしよく動いてます(^^) 思わずこの前なんだったっけと思うほど(^^; ラストでGX-DVがハモニカ砲ぶっ放して、地球と太陽のカットがくるっと回転して止まるのが何か凄く好き。
 タイトルバックのGXはそのまま変わらず。あと何故か、「音楽 樋口康雄」のクレジットが、シートで顔を上げるガロードからティファのとこへ移ってます。

■人工ニュータイプ(#12〜)
 早い話が、Ζ以降のUCにおける強化人間に相応する概念。「以前は記憶の錯誤に頭痛、情動の変調などがあったそうですが」って、はいそうですね。 しかし、シナップス・シンドロームという後遺症があり、1月周期で襲い来る死に匹敵する苦痛なのだそうである。尤も「早めに処置しておけば痛みも少ない」のだそうで、それって(以下略)
 「人工」の対義語は「天然」だが、ここから何故か「養殖」という連想が。以来身内では、カリスは「養殖くん」と呼ばれてしまうことに。

■ライラック作戦(#12)
 第七次宇宙戦争の終戦4ヶ月前、コロニー落としに先立って行われた宇宙革命軍の地球上陸作戦。巨大MAパトゥリアと、ベルティゴ5機によるニュータイプ部隊による作戦。大気圏突入時の戦闘でニュータイプ部隊は全滅、パトゥリアも軌道を外れ、先に地球に上陸して工作活動を行っていたナーダ・エル(エニルの父)のおかげで、ドーラッド博士らの脱出が行われた。
 ときた版外伝「ニュータイプ戦士 ジャミル・ニート」(ボンボンKC第3巻)の前編で、このライラック作戦が扱われているが、上記のTV版の映像がそのままマンガ化されている訳ではなかったりするので注意。

■コックピット恐怖症
 第四話にて露呈。ジャミルに言わせれば戦争の後遺症だそうだが、このシーンのBGMがM-5後半(SIDE.1-4「少年」)だったりするんで、どうにもギャグにしか見えないのが何ともはや。戦中派の頭に浮かんだのはΖ#15「カツの出撃」でのアムロ・レイその人の姿。
 その後医者とキッドのおかげでジャミルはコックピット恐怖症を克服。ガロードが落ち込んだ第十一話で頼んで、第十二話で治療中、第十三話で陽の目を見ることに。しかし、いつ見てもあの艦長室の片隅の金庫は何か笑えるなぁ(^^;  にしても「奴に頼まれてな」って、今度は「奴」ですか、医者よ。「少年の心は時として成年男子に伝染する。よくある例だ」えぇなぁ、医者。って、この台詞聞くと、ヴォイジャーのドクターと同じ方だと分かりますね。

■「その……応援、ご苦労しゃん」(#13)
 「素直に礼を言え!」照れるガロード、つつくウィッツ、片手でガロの頭を止めるジャミル。「今後は私に頼るなよ」──って、何か知らんがこのシーン好きだなぁ。第2部で「集団生活に慣れておらず、素直に人に謝ることもできない」ガロードが描かれていた次がコレっていうのも。

■コロニー
 「だってあれ、全部落っこっちゃったんでしょ? 15億年前に」とはロアちゃん。この場でちゃんと答えてませんが、コロニー落としの現場に居た人は、あれが全部落ちた訳ではないと知っているはずで。コロニーが今どうなっているかは分からないまでも。「彼らは力を持っている」の「彼ら」とはコロニーの勢力と見るのが妥当でしょう。──まぁだからこそ、第六話での医者の初恋話で「コロニーか?」なんて言ってるんだろうな、この人は。

■「方向を見失った者には、拳を振り上げ、突き放す勇気も必要だ」(#13)
 カリスと戦えないというガロードにジャミルが告げた台詞。このおかげでガロードはカリスに立ち向かい、勝利する。ただ、このことをジャミルはどうやって知ったのだろう。大体ジャミルこそ方向を探している最中に見えるんであるからして。「ニュータイプとは何か」の回答が出なきゃその先に進めないんだからさ、この人は。この勇気を欲しかったのは誰でもない、ジャミルだったんじゃないかと思ったりする。──次項に続く。

■「死んで全部チャラになるなんて思うな!」(#14)
 ガロードがカリスに吐いた大正論。当たり前の事なのに、何か目からウロコというか、胸のすく思いが。この辺の健全な論理が「ガンダムらしくない」のかも知れんが、少年マンガとしては正しいのではないかと。
 でも何と言うか、これを受けてのカリスのラストの台詞「ガロード、僕は生きるよ」っていうのがどうにも泣ける。こう言えるカリスの気高さ、潔さ、美しさ。カリスに力を与えたガロードの強さとティファの瞳。
 先の話を引きずるんだが、もし15年前のジャミルの目の前にガロードが居てくれたら、30歳のジャミルはあぁいう人間にはなってなかったかも知れんなと。いや、ジャミルはあれで良いんだけどさ。でもつい、ガロードが居なかったから、ジャミルは15歳の時からずっと「生きることだけを考えて」生きるしかなかったんだなと思ってしまって。だから第十六話であんな話が出てくるんだろうなと(いやあれはジャミルじゃなくて高松さんの告白だという裏なんだけど(^^;)。

■「戦争はもう終わったんだ!」(#14)
 このあたりのジャミルと市長のやりとりって、その後のメタフィクション展開を当てはめると、かなりそのまんまなこと言ってるよなーと言いますか。何と言うか、カリス編でGXの結論への道が示されているのがここでも明らかになっていると申しますか。

■重い十字架(#14)
 医者がカリスのシナップス・シンドロームを指して言った言葉。そもそもベルティゴ自体のシルエットも十字架を思わせるもの。このあたりからカリスの後日談創作は「光の十字架」となりましたが……これはGX全編見ていただいてからの方が良いかもです。
 しかしほんとベルティゴって惚れ惚れするなぁ。まんまキュベレイもどきではあるんですが、自分の中ではキュベレイ越えたかも。おそらくはカラーリングとカリスのキャラクターの勝利。
 当時ガレキ欲しかったんだけど手を出せず。MIAとかで出てくれたら即買いしそうだ。って、出来にも拠りますが。

■ED変更(#14〜)
 「HUMAN TOUCH」日本語版に変更。「PREVIEW NEXT EPISODE」が黒地に白文字から白地に黒文字に変わってるのが随分印象変わります。英語版好きだったんでなんで13話で変わっちゃうんだ〜と思ったもんですが、日本語版は日本語版で味があるっつーか……結論:どっちも好きだが強いて言えば英語版。


 以下帰郷編。

■「綺麗だな、俺が稼いだ金塊よりキラキラしてやがる」(#15)
 これα外伝のキャラ図鑑でウィッツの一言台詞にありましたね(^^)

■「帰ろうか、フリーデンへ」(#15)
 第3部ラストでフォートセバーンへ帰るカリスの直後に、第十五話予告の「人は誰でも、帰る場所がある」と続くのが良い。で、休暇で帰郷するも、結局二人が帰るのはフリーデンになる。専属契約というだけでなく、金塊を家族に渡してしまったからだけでもなく。そして第十六話でもこの「帰る場所としてのフリーデン」の話は続いている。って、第五話とか第九話でのガロードの台詞もあるし、まだ後々にも引く話ではありますが。ここら辺、一人で脚本を書き通したシリーズ構成の強みですね。


(0303.20)





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