Camille Laboratory Top機動戦士Ζガンダム>創作小説>アーガマ某重大事件

「――そうだ、艦長も如何です?」
 アストナージの一言に一同は言葉を失ったが、
「そうだ、そりゃ良いや!」
「艦長だってブリッジクルーには違いないんですし」
「確かスコッチがお好みでしたよね?」
「まだブランデーも残ってますよ〜」
 と、一瞬で結託して抱き込みに掛かった。尤も、カミーユだけは言葉を失ったまま成り行きを見守っていたのだが。しかし、ここまで勧められては艦長であろうと人の子である。
「分かった分かった。付き合うからちょっと待て、」
 頭を抱えながら、ブライトはインカムに手を伸ばした。
「あ、ハサン先生? 申し訳ないが酔い覚まし五人分と酔い止め一人分用意してもらえないか? ――あぁ、さっきのに一人分追加でね。今度は居住区のトーレス達の部屋なんだが……そう、よろしく」
 彼は腰に手をやって大きく息をつくと、もう、開き直った。
「さぁて、スコッチを頂こうかな?」

 ――翌日、ハサンの薬のおかげで、ブリッジの業務には支障はなかった。だが、噂というものは、メガ粒子砲よりも早くアーガマ艦内を貫通し、上から下への大騒ぎになった。『艦長の目を盗んで』大量の酒が持ち込まれる羽目になり、医務室は激戦直後のような大繁盛ぶりだった。責任を感じたブライトは、サイド2で手に入れた年代物のワインをハサン以下医務室のスタッフに差し入れしたのだが、この話がまた酒の肴になってしまったアーガマなのであった。

 ブライトの艦長日誌には記載のない事項であるため、この一連の事件(?)は『アーガマ某重大事件』と呼ばれることになった。


(9012.10)



あとがき

 題名はアレですが、「恋愛症候群」とか「涙の法則」につながってる宴会話です。書いた時期が時期なので、また例の調子でございます(_o_)

 アストナージやブライトが最初は怒るのは、やはり無重力ブロックでの酒盛りだから、です。本来ならコロニー内へ飲みに行くのが筋ですからねぇ。あとカミーユがこの時点で18になったばかりなんでそのお咎めもあるんじゃないかと。って、この世界での飲酒可能になる年齢は不明ですが〜。因みに、書いてる本人はこの時点ではしっかり未成年でした。

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