Camille Laboratory Top機動戦士Ζガンダム>創作小説>恋愛症候群

「うーっ涼しいっ!」と、トーレス。
 夜風がひんやりとして心地良いな。
「良いじゃないか、酔いがさめるから」と、カミーユさん。
「カミーユさんは酔ってないんですか?」尋ねてみる。
「ミリィさん、トーレスも言ってたけど、その質問は野暮よ」
 そう言って、ファさんは笑う。
「その……おん・なの子も?」
「そぉ。悪く言えば気が多いのよ」
 言ってのけるファさんに、カミーユさんが横目で、
「あのねぇ……」
 そんなやりとりを聞いていたトーレス、ケラケラっと笑い出して、
「変わってねーなぁ、お前ら!」
「トーレスは少し変わったみたいだね」やんわりと言い返す。
「へっ、どこが?」
「ちゃっかり女の子作ったりして。どうしたのさ?」
 トーレスと私、真っ赤になって。
「ばーやろぅ、宇宙でちったぁ頭冷やしてこいっ!」
 怒鳴りつけるトーレスに、カミーユさんは笑った。
「やってくるよ、風邪引かないようにね。じゃ、」
「おやすみ」二方に、別れた。

「ごめんな。」
「えっ、何が?」
「そのさ、んと……ん。野暮なこと、聞くなよ」
 話を始めたのはそっちじゃない──なんて、野暮なこと、言いませんよ。
「カミーユさんとファさん、って、良いひとね」
「ま、そーだな。あの二人も色々あったから……」
「そぅ……」
 しばらく歩いて、どちらからともなく、言葉が口をついて出た。
「何か、あるかな?」
 顔見合わせ、笑いながら、もう一度言葉が合わさる。
「野暮なこと、言うな!」

 いいのかな、これで。
 私もやーっぱり、女の子だったの──かしら?
『カミーユが私に恋してたかどうかは疑問だけど……私はやっぱり、してたわ』
 あっけらかんとファさんは言っていた。
 でも、彼には疑問符は見えない。
 勿論、私にも。
 いいのよきっと、これで。
 変じゃない。変じゃないわよね?  私も彼も、きっと恋愛症候群。
 じゃあ、また明日ね。今日は楽しかった♪

(9007.15)



あとがき

 うわぁぁっ、も、もう勘弁してくださいーって感じのハズカシ話。題名の元ネタはなんとさだまさしだったりいたしまするが〜。とほほ。一人称しか書けないからって日記ばっか書いてんじゃねーよとか言いたくなりますが。あーでも多分これ書いてた時も、狙ってこういう書き方してたんだと……思いたいんだけど……ナチュラルにこれだったらそれはそれで……ぁぅ。

 前半はΖΖ#20「泣き虫、セシリア(前)」での、トーレスとミリィのやりとりから。トーレスは元々好きなキャラでしたが、この前後編は彼が主役だったので嬉しい……ような、何でこんな辛い話やねん! というか。ミリィも何気にお気に入りで、どうせならくっついてしまえーという非常に少女趣味なお話です。

 後半は「涙の法則」同様、「アーガマ某重大事件」へとつながる酒ネタですが、カミーユが酒に強いらしいという話は子供の頃から慣れてるからという俺設定があったりします。溯ると「若草物語」のローリーの設定からのスピンオフの模様です。同じ飛田声だからって……(^^; ←訳によって違うんですが、何故彼が「ローリー」なのかという事情は結構笑えます。

 ただこの日記、初出時には具体的な日付が入っていました。自分で一生懸命年表作ってたんですが、0083の時に出てきた年表が世間に流布してしまっているのでちょい取り下げてみたり。ΖもΖΖも1年も掛かってる話に見えないんですけどね。

 で、なんとなくカミーユ&ファが物足りなくて、続きを書いてみました(^_-) つても、連作「Teardrops」の続きのような気もしますが。




back ◆ 3/4 ◆ nextTop機動戦士Ζガンダム