「うーっ涼しいっ!」と、トーレス。
夜風がひんやりとして心地良いな。
「良いじゃないか、酔いがさめるから」と、カミーユさん。
「カミーユさんは酔ってないんですか?」尋ねてみる。
「ミリィさん、トーレスも言ってたけど、その質問は野暮よ」
そう言って、ファさんは笑う。
「その……おん・なの子も?」
「そぉ。悪く言えば気が多いのよ」
言ってのけるファさんに、カミーユさんが横目で、
「あのねぇ……」
そんなやりとりを聞いていたトーレス、ケラケラっと笑い出して、
「変わってねーなぁ、お前ら!」
「トーレスは少し変わったみたいだね」やんわりと言い返す。
「へっ、どこが?」
「ちゃっかり女の子作ったりして。どうしたのさ?」
トーレスと私、真っ赤になって。
「ばーやろぅ、宇宙でちったぁ頭冷やしてこいっ!」
怒鳴りつけるトーレスに、カミーユさんは笑った。
「やってくるよ、風邪引かないようにね。じゃ、」
「おやすみ」二方に、別れた。
「ごめんな。」
「えっ、何が?」
「そのさ、んと……ん。野暮なこと、聞くなよ」
話を始めたのはそっちじゃない──なんて、野暮なこと、言いませんよ。
「カミーユさんとファさん、って、良いひとね」
「ま、そーだな。あの二人も色々あったから……」
「そぅ……」
しばらく歩いて、どちらからともなく、言葉が口をついて出た。
「何か、あるかな?」
顔見合わせ、笑いながら、もう一度言葉が合わさる。
「野暮なこと、言うな!」
いいのかな、これで。
私もやーっぱり、女の子だったの──かしら?
『カミーユが私に恋してたかどうかは疑問だけど……私はやっぱり、してたわ』
あっけらかんとファさんは言っていた。
でも、彼には疑問符は見えない。
勿論、私にも。
いいのよきっと、これで。
変じゃない。変じゃないわよね?
私も彼も、きっと恋愛症候群。
じゃあ、また明日ね。今日は楽しかった♪
(9007.15)
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