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アルジェントソーマ事典

 基本はあくまでアニメ本編。適宜CDドラマ・小説版・漫画版にも触れていますが、何分個人的な解釈なので、そのあたりはご注意のほど。なお、当時のアニメ誌・公式サイト等は未見のため、同じような記述があれば偶然の一致です。


 【あ】 【か】 【さ】 【た】 【な】 【は】 【ま】 【や】 【ら】 【わ】 【項目一覧】

【さ】

■サブタイトルと次回予告と
ウソ予告。  再生と死と少女と出会と憎悪と争いと逃避と追憶と孤独と哀と殺意と裏切りと絶望と希望と混沌と葛藤と決意と過去と大罪と戒と覚醒と真実と破滅と勇気と愛と再生と…
 次回予告(←のgifアニメ参照:これはウソですが)見てうわって感じ。タイトルしか出ないのに凄く印象的な予告なんだよなぁ。二つの単語をこう繋げて並べているのに、ちゃんと内容に合ってるのが凄い。予告に惚れまくったのはGX(台詞によるサブタイトル、EDとの一体化)やボトムズ(サブタイトルは一単語、予告ナレがとにかく格好良い)もそうなんだけど、このアルジェントソーマの独特のスタイルも凄く好き。将来ANIMAXで放映することになって、本編終了と予告の間にCM入れたりしたら怒るぞ。詩的なナレはともすればそれだけで酔えそうなのに、ちゃんと内容指してるし。でも画面には文字しか出ないから、初見時には何のことやらさっぱりだったりする(^^;
 CDドラマにも予告がついてるのに、Phase:EXの予告がないのが残念でした。ってさすがに無理ですか。因みに、Phase:25では本編終了までサブタイトルが出なかったりとか、Phase:25の冒頭のハティの台詞はPhase:02の予告ナレだとか、Phase:25の予告だけは明確にハティが読んでたりとか(いや全部桑島法子だから全部ハティなのか? それってGX最終話予告を思い出すぞ)、色々仕掛けてあるのも面白い。

■左右非対称(asymmetry)
 この作品におけるデザインコンセプト。フランクの姿、リウの顔、ザルクやH−1といった航空機のコックピット配置、フューネラルの制服やMr.Xのシャツの色などなど。しかし、人物や出来事の配置は寧ろシンメトリーが意識されているようで、その構成の緻密さと様式美には恐れ入る。リフレインというのは手法としてどうにも好き。

■ザルク(SARG)
SARG  ドイツ語で「棺桶」を意味する名を持つ、フューネラルの最新鋭機動兵器。Phase:03のMr.Xの台詞では、「格好良いねぇ。美しいねぇ。人智を超えたスーパーメカの登場だ。さぁさ皆様、惜しみない拍手を!」えぇのぅ。左図は格好良いつーんじゃなくて可愛い方向なんだがご容赦のほど。しかしこの長いサンライズ作品おっかけ人生で、こんな体たらくでもメカ描きたいとか思ったの初めてかも知れん。ガンダム様だって描いたことないのに。←威張れません
 エイリアンモーターを有し、飛行形態から格闘戦用の高機動モード(人型形態)への変形が可能。Phase:08のリウによると、変形しても機動性に差はなく、視認性を考えての飛行形態だとか言ってるから、格闘戦が可能な人型形態が本来の形……ってそりゃそうですな。物理は素人だが空気抵抗っつーのはこの機動性に影響しない程度に片付けられちゃうんでしょーか。一言で言えば「ステルスボンバーバルキリー」だが、その特徴として人型形態での「頭部がない」ことも挙げておかねばならないだろう。それはザルクがエイリアンの死体そのものだったという真相の故なのだが、この点については小説版で印象的に展開されている。アニメでも、うにょーんとエイリアンの首が生えてくるという描写がいかにもで良いんだが。頭部があるべきはずの箇所には、ミステル搭載時のマウント用の穴が開いており、Phase:18では、ギネビアのザルク3のこの穴にエイリアンが手を入れてぐりぐりしていた。「何でこいつ頭あらへんねん、つっついたら出てくるんやろか」とでも思ったんだろうか? しかしそのおかげで三次元パルスネットワークが活性化したのか、その後ザルク3はエイリアン化してしまった。
 ザルク1、3、4、5が稼動し、ザルク2は事故でパイロットが失われ欠番となっていた。んが、Phase:18の時点でザルク3がエイリアン化し消失、1・4・5は工廠送りってことで全滅じゃないですか。これで残り話数どう乗り切るのかと思ったら……Phase:22で欠番だったザルク2が出現するシーンが最高に格好良い。本部基地を取り囲むように発進塔は6つあり、ミステルへの搭載数が標準3機ということから、本来なら3機×2小隊組む予定だったのではないかと思われる。ところでザルク5だけが複座機だが、OPでの4機編隊のシーンなどを見ると、コックピット背部の尾翼(?)の形状もザルク5だけ微妙に違うようだ。
 しかしまー、やたらめったら格好良い三角形の飛行機なんだこれが。色も地味だけど、それが良い。ボリュームのあるシルエットながら、そのエイリアンモーターの重力場制御による制動が、見ていて実に気持ち良い。Phase:15の対「黒いザルク」戦がその点では白眉だが(Phase:18とかPhase:23も良い良い)、OPでの本部発進塔からの発進や、ミステルからの分離発進といったワンダバにも燃え。前者は王道の演出で、発進後、本部の尖塔を囲むように軌跡を描いて4機が編隊を組むのは、これに燃えずに居れようかというもので。後者は中々見られないスタイル(空中給油機からの分離がイメージとして近いか? Ζでのガルダからのシャトル発進も微妙に似てるかも)でもあり、これは飛行機燃えにはたまらんのでありますよ。でもあれ、ミステルからどうやって移乗してるのか謎なんだが(マウントに搭乗口の設定があるにはあるが)。あーやっぱ飛行機はえぇのー。山根公利さんはほんと飛行機好きなんだなー、だからこんなにイイ飛行機描けるんだなーとか思ったり。携帯のスカイメールの紙飛行機アイコンがザルクの飛行形態に見えるくらいはまってますよ。
 で、かねてから疑問だったザルクの飛行速度。Phase:18で計算してみると、700m/sくらい出てるみたい。これって音速(331.45m/s)の倍つーことはマッハ2のコンコルドと同じか。現在の最高速記録はアメリカ空軍のSR-71・ブラックバードで……資料によってばらばらなんだけどマッハ3.3は固いようだからこれに負けてるのか? 重力場制御技術によるイナーシャルエリミネーター(慣性除去装置)のおかげで、パイロットは加速によるGを基本的には受けないってことになってるんだし、リミッター掛かってたとしてもエイリアンモーターなんだからもっと速度出せると思うんだけど。
 っておい、これってロボットマンガじゃなかったのか? という訳で、人型でドンパチやってるのも勿論良いんですけどー(^^) 人型形態時の下肢のボリュームが独特なシルエットとザルクライフル萌え。ところでこのライフル、ファイアリングリキッド(液体炸薬)を使ってるんだが、本体からライフルへこれを供給するコードが切れると当然ながら液体がぽたぽた垂れるんで、まるで血を流しているように見えるのが、何だかちょっと気味悪くて……いいかも。しかし飛行形態時にはこのライフル後ろ向きにつけてるんですな。飛行形態時でもライフルは撃てるんだけど、その際にはいちいち腕だけでも変形させにゃならんつーのは……その後の扱いはそっちの方が楽とはいえ、何か使い辛いんじゃないかなと思ったりする。
 ともあれ、Phase:24でエイリアンモーターは元の持ち主が全部回収しちゃったんで、ザルクは文字通りの只の棺桶に。6年後、地球の技術でエイリアンモーターをフルコピーしたという白いザルクが登場するが、それって重力場制御をモノにしちゃったということですか。さりげなく凄いことやってみせて、またこの白ってのが良いんだよぁ……うっとり。
 しかしさ、DVDのジャケットについぞザルクが居ないのが寂しいですよ。9巻のハティ単独のを見てると、この巻くらいザルクじゃ駄目ですかとか思ったり。立体欲しい〜。

■ジェイル(JAIL)
 フューネラル本部に設けられた、フランクことEX-1用の「牢獄」。Phase:04でリウがフューネラルに着任した際、本部を案内されていた時には興味はなさそうな振りをしていたものの、当然その後一人でジェイルを訪れている。ここでリウとして初めてハティに出会い、そしてその蒼く冷たい瞳で復讐の相手であるフランクを見据えて、彼は低く呟く。「来たぞ」と。
 フランクの側に居たいハティ(とウォルトン)、それとどうしてもフランクが気になるリウ、ハティの面倒を見ているスーといったあたりがジェイルの常連に。あのPhase:04でのセキュリティの厳重さ(網膜照合に掌紋照合までやってたぞ確か)は何だったんだ、というくらい皆で入り浸っている模様。
 そして、Phase:24で、心を閉ざしたフランクを目覚めさせるべく、リウとハティがジェイルに赴く。だがこの時には、リウもハティも本来なら事情聴取のために護送されているはずであり、彼らのIDは抹消され、入室許可は下りなかった。だがそこへ、ダンが外していたエンブレムをウォルトンが咥えて来て、そのIDでジェイルの扉が開く……っておい、Phase:04と手順が全然違うぞ? 大尉殿の階級章ってそれだけで扉開いちゃうくらい偉いんかいーってツッコミを入れつつも、Phase:04とは全然違う調子でのリウの「来たぞ」に萌える。萌えてならん。
 小説版でもジェイルに入り浸るリウだが、ちょいと事情が異なって描かれてるのが、これも面白い。つか、このあたりが小説版ではキーになってるんだけど。

■出世
 イネス:少佐・フューネラルコマンダー→上院議員
 マイケル:中佐・フューネラルキャプテン→大佐・ユリシーズ号船長
 ダン:中尉→大尉→少佐・フューネラルキャプテン
 ギネビア:中尉のまま昇天
 スー:少尉→少佐(ブライトスター勲章)→中佐・フューネラルコマンダー
 リウ:少尉→中尉・ユリシーズ号第一航法士
 ……スーちゃんが余りにも凄いので。ブライトスター勲章って何やったんだ?
 あとPhase:22で大尉に昇格したダンとイネスの会話で互いに映る階級章、イネス少佐(Major)が「M.J」、シモンズ大尉(Captain)が「C.P」と出ているが、現在の米軍(陸軍・空軍)での略称はそれぞれ「Maj.」「Cpt.」らしい。この頃の国連軍ではこうですと言われればそれまでなんだが。

■巡礼ポイント(Pilgrimage Point)
 エイリアンの移動パターンを分析すると、その全てのベクトルは北米大陸の一点に収束する。これを正式には「収束ポイント」と呼ぶらしいが、普通は「巡礼ポイント」と称される。その地に何があるのかは不明とされており、エイリアンがこの地に到達すれば何が起こるか分からない。その到達を指してダンは「チェックメイト」と呼び、キルゴアの部隊の画面表示では「GAME OVER」と出るのが、何とも、らしい。しかし、実際には何も起こらなかった。表面上は。
 Phase:08でリウのレポートに出てくる巡礼ポイントの地図上の位置は、アメリカ北西部、コロラド州っぽい。これ以降に出てくる巡礼ポイントの位置は違っていて、最終的にはアメリカからカナダに入ったあたり、サチュカチュワン州南部のようである(小説版ではサチュカチュワンだと明言されてるが)。しかしPhase:08で出てくる数値が「N.P 50.125 L.P 125.845」となっていて、これが「北緯50.125° 西経125.845°」だとすると、カナダ・バンクーバー島のあたりになる(直前の地図の位置とも違うのよ)。北緯の数値はその後の地図上の巡礼ポイントの緯度に相当するんで、西経が謎だ。西経つーたら「W」だしな。全然違う数字なのかも。
 なお、巡礼ポイントを中心として、ダークゾーン・レッドゾーン・イエローゾーンという防衛ラインが設定されたのは第一次遭遇戦の後だ、と同じレポートに出ている。ここで先の巡礼ポイントの位置を示すらしい数字の後に「2057」とあり、これが「2057年」とすると、防衛ライン設定時=巡礼ポイントの位置の判明時であると同時に第一次遭遇戦終了後となるんだろうか。ふむ。
 しかし、リウに調べられたのはここまでで、それ以上はレベルSのパスコードが必要なほどに厳重に管理されたデータとなっている。リウはフューネラルでのAクラスの戦闘要員で、ジェイルの入室セキュリティ(Aクラス以上)はクリアしている身分ながら、こちらに関してはレベルDと随分低く見積もられている模様。
 なお、英文表記ではPhase:08などで「Pilgrim Point」というのもあり。ただ「Pilgrim」は「巡礼者」であり、行為としての「巡礼(の旅)」を指すのは「Pilgrimage」の方らしい。CD「if」収録の「Pilgrimage No.3」は名曲。

■シルバーレイク
 ハティが「妖精くん」ことフランクと出会った場所。こんなとこにも銀色が〜。

■スー・ハリス(Sue Harris)
Sue Harris  ザルク4のパイロット。海軍出身の少尉。見た目通りと言っちゃ失礼だが、軽い姉ちゃんである。しかし操縦センスは抜群で、海軍士官学校を首席で卒業しているほど。とはいえ、その後は転属に次ぐ転属で、組織に馴染めないでいる様子が見て取れる。しかしフューネラルでは6年後に中佐としてコマンダーまで勤めているのだから、さすがに「あたしのようなはみ出し者」がいる寄せ集め部隊は水が合ったのか。ザルク4よりミステルでの活躍が多かったようで、Phase:02とPhase:23でのやりとりの違いとか面白い。にしてもPhase:23はほんと凄い。「軽く言ってくれるよ……ま、やってみましょ」とか、「こっちはもっと楽しんでますよ」とか。フューネラル隊員の中では唯一トートにも搭乗していたりする。しかし堀江由衣のキャラとしては多分珍しい役柄なんじゃなかろうか。
 山のようなお菓子を抱えたり、アンティークに凝ってたり(その1つがあの短波ラジオ)、ハティと仲が良かったりと少々子どもっぽい所が見られるが、それも彼女なりの処世術であった。CDドラマ第1話で彼女の出自がネイティヴアメリカンだとされているが、小説版ではこのあたりが過去のトラウマとして描かれている。Phase:EXはそんな過去が垣間見えるスーらしい話。こういう過去を持ち、Phase:11でも「ひとりぼっちは慣れっこだもんね」などという彼女だからこそ、家族を失い一人になってしまったハティを普通の少女として扱い、優しく接することができるのだろう。Phase:EXのEDでは彼女の個人年譜と、ダンとの事の顛末が語られている。
 リウとの接点はあるようでないようでいて、まだまだ描ける余地はあったような気も。小説版は趣きが少々異なるんだが。
 そういえば海軍出身なのはスーちゃんだけなんだよなぁ。階級呼称は米軍の陸・空軍に合わせてるみたいなんだけど、海軍は別の呼称になるんで、そのあたりどうなんだろう。この頃の国連軍では統一してますって言われたらおしまいだが。→北米版のキャスト表を見たら統一されてました。

■「スタートレック」シリーズ
 2004年現在、38年続いているというアメリカのSFドラマシリーズ。言及が多いのでまとめておきます。ご存知の方には今更な内容ですが。
 【STAR TREK (TOS)】(1966.09.22-1969.6.03)「宇宙大作戦」。23世紀、カーク船長の宇宙船USSエンタープライズ号(NCC-1701)が行った5年間の深宇宙探査任務の物語。色々あって打ち切りになるも、再放送で人気に火がつき、現在まで新作が作られ続けるという、日本の「機動戦士ガンダム」相当の作品。尤もあちらではどちらかというと「水戸黄門」的な愛され方のようではあるらしいが。劇場版第1作 "THE MOTION PICTURE" で登場する、謎の物体ヴィジャー(V'GER)の正体は……ってのがアルジェントソーマ的には(以下略)。個人的にはシド・ミードのデザインやらデルタ星人やら、そしてやっぱあの劇場用NCC-1701萌えーってんで結構TMP好きなんですが。
 【STAR TREK : THE NEXT GENERATIION (TNG)】(1987.09.28-1994.05.23)「新スタートレック」。24世紀、ピカード艦長のUSSエンタープライズD(NCC-1701-D)の、さらなる探査任務の物語。ガンダムで言えばΖみたいな、第2のスタンダード作品。7作目以降の劇場版はTNG準拠。いやでもあのNCC-1701-Dを初めて見た時の衝撃に比べたら、∀なんて可愛いもんでしたよ……(遠い目)。
 【STAR TREK : DEEP SPACE NINE (DS9)】(1993.01.02-1999.05.29)「スタートレック・DS9」。TNGと同時期、深宇宙ステーションDS9での物語。カーデシアの支配から解放された、惑星ベイジョア。ベンジャミン・シスコはボーグとの戦いで妻を亡くし、息子ジェイクを伴い、宇宙艦隊の司令官としてDS9に赴任する。副司令官はベイジョアのレジスタンス出身の女性キラ・ネリス。惑星連邦とベイジョアから人員が派遣されたDS9には、宇宙商人フェレンギ人のクワーク、はたまたカーデシア人の謎の仕立て屋ガラックなど、様々な宇宙人が行き交い、ついうっかり平行宇宙の住人まで来るからさぁ大変というお話。シスコ司令官は黒人系アメリカ人、キラ・ネリスはやたら美人で格好良くて、平行宇宙の女王様バージョンは更に格好良すぎで色々と大変。終盤はワームホールの向こうからやってきたエイリアン「ドミニオン」との戦争になり、DS9→フューネラル本部とすると、USSディファイアント(NX-74205)→ミステルで、キャプテン・シスコ→キャプテン・ハートランドなんだろうなぁ(^^; オドーとフランクの立ち位置も似てるかも。
 【STAR TREK : VOYAGER (VOY, VGR)】(1995.01.16-2001.05.23)「スタートレック・ヴォイジャー」。これもTNG・DS9と同時期だが、宇宙艦隊の最新鋭航宙艦USSヴォイジャー(NCC-74656)がゲリラ組織マキ(Maquis)の船を追っかけてたら、困った「管理者」さんのおかげで一緒に宇宙の反対側まで飛ばされて、仕方ない、素晴らしき我が家へ帰り着くまで呉越同舟で頑張るぜとゆーお話。ヴォイジャーの艦長は女性のキャスリン・ジェインウェイ、副長はマキの部隊長だったチャコティ(ネイティヴアメリカン出身)。この二人の組み合わせはイネスマイケルっぽいし、ダンの項にも書いてる通り、ダン&スーとパリス&トレスってのも結構被るんだけど、そーいやハティってナオミ・ワイルドマンっぽくないか? と思ったら、突然セブン・オブ・ナインがリウに見えてきた(^^; あの左目がなぁ。つか、ジェインウェイとセブンってのはイネスとフランクに通じるのか。という訳で、制服の色使いにしろドクターの髪型にしろ、何故か目立つコックにしろ(重要度は桁違いだが)、突然時間が飛んだ最終話で旅立つ前に墓参りまで含めて一番被るのこれですわ(放映終了時期も似たようなもんですが)。ギネビア相当のキャラが居らんのが残念だ。←DS9のジャッジア・ダックスが似た雰囲気かなぁ?
 【STAR TREK : ENTERPRISE (ENT)】(2001.09.26-)「スタートレック・エンタープライズ」。最近になって英語タイトルにも "STAR TREK" が付くようになったらしい、放映中の最新作。TOS以前の22世紀、人類初のワープ航宙船エンタープライズ(NX-01)の物語。TOSよりも初々しい一方で、映像技術やら年表改竄やらは当世のものなので、ちょっと変わった感じ。OP映像は未知の世界に挑み続ける人類の歴史を俯瞰する内容で、一見の価値あり。vidiotにてダウンロード可。スペースシャトル・エンタープライズ(OV-101)も出てきます。

■「素晴らしき我が家へ」サントラII-11.
 ハティとマキとクローカの歌。2044年のクローカは、ユーリに古い歌だと思われたらしいが最近の流行だと言っている。それから十数年後のマキは、あからさまにタクトに「古い歌だな」と言われている。しかしこのタクト、気障すぎます。背中むず痒いです。「アンジェリーク」でそれなりにこの手合いは経験値を踏んだと思っていたんですが、まだまだ修行が足りなかったようです自分。
 で、ハティの歌を耳にしたリウは、「(フランクに)歌ってやれよ」なんて言うんだが、それはどこかで自身の追憶も重ねていたはずで。ハティの歌はフランクとリウの双方を救っていたというのは様式美だよなぁ。
 余談ながら、Phase:13でフューネラル本部放棄命令が出たにも関わらず隊員達が戦ったその理由は「我が家を守るため」で、Phase:23でマイケルが口にするのも「帰ろう、我が家へ」である。歌は絡んでいないが、言葉のレベルでこうした繰り返しがあるとニヤリとするもので。

■成層圏迎撃機
 Phase:17とPhase:25に出てくるアレ。早期警戒衛星網で見つけたものの迎撃衛星パールゼフォンで撃てないエイリアンを、地上からわざわざお出迎えして撃ちに行こうというご苦労様な戦闘機(コスト高そー)。撃ち漏らして地上に降りちゃった分は、地上軍とフューネラルの担当になる、んだろう。
 さて成層圏とは何でしたっけ。大気圏の区分は地上から順に、対流圏、成層圏、中間圏、熱圏となってその上は大気圏外で宇宙空間とみなされるんだが、この熱圏の上限が大体500kmくらい。話を戻して成層圏の上限は大体50kmくらいとされている。
 んで、問題の2話なんだが、どちらもこの成層圏迎撃機は発電衛星イカロスやユリシーズ号の居る衛星軌道(ここに居なきゃ落ちてます)の近くまで上がっているのは確か。単体でそこまで上がって、しかもあれだけ損傷してもちゃんと地上まで降りてこられるとは凄い性能だ。フューネラルのザルクに対して、国連軍の成層圏迎撃機って位置付けなんだろうな。
 んで、イカロスは極軌道に居るようで、「軌道が交差」ってことはユリシーズ号もほぼ同じ高度の模様。極軌道は運用上低軌道を取る衛星が多いようで、この低軌道の範囲が高度約300km−1,500km(スペースシャトルが約300km、国際宇宙ステーションISSが約450km)なんだそうで、これは大気圏最上部の熱圏の範囲。……いやはや、素晴らしい性能だほんと。

■制服
 フューネラルの制服は色が左右非対称。職務によってデザインの違いはあるが、この色使いが格好良くて楽しい(てゆーか……後述)。オペレーターガールズのワンピース+ブーツも可愛いし。国連軍の制服もシンプルで悪くないが、地味だもんなぁ。ま、フューネラルでも戦闘服のA〜C装備は配色は左右非対称でもなく地味目なんだが、それがイイ。
 【A装備】 マイケル以下の実働部隊が普段着ている戦闘服のアンダーウェア。リウとダンが営倉入りしたときのスタイルで、リウは自室でよくこの格好で居たりする。襟元は別パーツになっていて、上半身はタンクトップ状のツナギになっている。わざわざ胸元開けて鎖骨が見えるデザインになってるのが少々あざといが、でもそれがイイ。背面はファスナーとストラップまで設定されているのに、お花畑に佇みたい時にゃどーするんだとしばらく悩む(^^; DVDのジャケットではスーやギネビアが上着を脱いだA装備状態(微妙に色違い)もあって、本編になかったのが勿体無いよなぁと。マイケルのA装備って……み、見てみたい。
 【B装備】 これが普段の戦闘服。七分袖なのがちょっと珍しいかと。袖口に情報端末ぶら下がってるの、気にならない程度の重さなんだろうなぁ。右肩にはフューネラルの、左肩にはザルクの部隊章のエンブレムがあるのが、またらしくてイイ。
 【C装備】 B装備に色々足した、ザルクのパイロットスーツ。ヘッドセットは耳で引っ掛けてるだけで後頭部から浮いてるのが、これまでなかったものかも。
 【S装備】 リウがフューネラルに着任した時とか、帰宅時に着てるアレ。戦闘服とは別にこういう制服があるってあたり、「マイティジャック」を思い出したのはさすがに古いですか。色使いもさることながら、上衣の丈が長いのが珍しいかも。リウの他にはダンしか着てなくて、他のメンバーはPhase:04で出てくる資料の添付写真に襟元だけ写ってるだけで残念。イネスはデザインが違うんだけど、あの人はあれで格好良いんで。萌えだ。なお、B装備では袖口の情報端末に通信機能があるが、S装備では階級章が通信記章として機能するってのが「スタートレック」シリーズ(TNG以降)っぽい。てこと言い出したら、この配色は「スタートレック・ヴォイジャー」(TNG中盤でもDS9初期でもいいけど)での宇宙艦隊の指揮系統(赤)の制服を思い出しますな。つーか、保安部員(黄)、部署は不明だが多分研究部門(青)ってのも、まんまじゃん……。

■喪失
 リウ:モルグの事故で恋人マキを亡くしている。
 ハティ:第一次遭遇戦で両親、5年後に祖父を目の前でエイリアンに殺されている。
 イネス:夫と娘と別れ、その娘を交通事故で亡くしている。
 マイケル:フランクフルト局地戦で部下を、そしておそらくこの後に、第16空中騎兵隊のダン以外の部下を全員亡くしている。
 ダン:母が自殺。第16空中騎兵隊でマイケル以外の部隊員を亡くしている。
 ギネビア:自身が「死の光」を浴びてしまい、2060年に昇天。
 スー:両親が離婚、自身の任官日に父を交通事故で亡くしている。
 ユーリ:自らの帰還のために妻クローカを亡くしてしまった。
 ……こうして並べてみると結構壮絶だなぁ。

■操縦経験
 マイケル:基地カート、ミステル、追跡装甲車
 ダン:ザルク1、自家用車、ミグ25改、白いザルク
 ギネビア:ザルク3、ミグ25改、フライヤー、ザルク2
 スー:ミステル、ザルク4、フライヤー、トート1
 リウ:自転車(ぉぃ)、ザルク5、ミステル、シャトル(シミュレータ)、フライヤー、成層圏迎撃機、ユリシーズ号(これも入るのか)
 お、なんとか主役の面目保ってるじゃん。←やたら乗り換えるのは寧ろ悪役のお約束なんじゃ……ってこれは乗り換えじゃないんだけど(^^;

■ソーマ
 タクトが大学で、同じ研究室の学生と研究していた合金につけた名前。本来の意味であるギリシャ語の「肉体」よりは、錬金術での「不老不死の薬」の方からこの名にしたのだろう。タクトはこの合金を使って、マキのために「永遠に形を失わない、永遠の指輪」を作っていた。しかしそれ、誕生日プレゼントとして貰ってしまうにはマキちゃんでなくても躊躇するよ。どう考えたってエンゲージリングだよ(タクトが自分の分まで作っていれば完璧)。しかし舞い上がってるタクトにしてみれば、「凄いんだぜ、きっと気に入るよ!」「お前の喜ぶ顔を見たいだけなんだから」って……あぁぁぁぁ。
 因みにこの指輪、ライナーの設定を見ると縁というか指に触れる部分にはプラチナを使っているようで、この設定からPhase:19の画面を見る限り表面の金色の部分がソーマ。Phase:01で実験中の試料は、実験のためなのか黒ずんでいるものの銀に近い色の模様。
 Phase:08で、営倉に入れられたリウが、ギネビアに差し入れて貰った新聞にこの合金の記事が出ているのを読み、彼は一人声を立てて笑う。あの学生達の写真、そしてかつてタクトが口にしたあの名前。Mr.Xが与えた名前と同じ、自分が捨てたはずの過去がそこにある。その皮肉に、笑わずにはいられなかったのだろう。けど、隣の営倉に居たダンにしてみれば、いきなりリウがあんな風に笑い始めて不気味だったんじゃなかろうか。明るく笑ってるんじゃないんだもん。どこか嘲笑ってるんだもん。わたしは好きだけどさ。
 以下脱線。てゆーか、ソーマってインドの神様じゃなかったっけか? と思って調べ直してみたところ、こちらもありました。DVD1巻の片山監督によれば「インドのほうでは不死身、魂という意味があったので」とのことですが、調べがついたのは、不老不死の薬「ソーマ」を神格化した月の神様でした。やっぱり不老不死かーっていうか、この不思議な飲み物「ソーマ」はギリシャ神話で言うところの「アムリタ」相当という説と、マハーバーラタではソーマ(神酒)とアムリタ(甘露)は別物だという説もあってよく分からんのですが、同根のものなんでしょうか? だとすると一番上の「ギリシャ語の〜」に繋がりそうな気もせんでもないんだが。まぁいいや。しかしソーマは薬だったりお酒だったりキノコ(の汁)だったりガガイモ科の植物の乳液だったりと正体は判然としないんだが、よくSPAMで見る「SOMA」は多分ドラッグの類なんだろうなぁ。←中身見ないで消すからちゃんと見たことはないんだが、一瞬ドキリとしますですよ。
 ついでにジーニアス英和大辞典で「soma」を引くと、「(精神に対して)生物体の身体(body)」なんて意味もあるそうだ。やはりこれは先の「ギリシャ語の『肉体』」から来てるのか? まぁなるほど、彼にとってみれば「肉体は器でしかない」訳だから。


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